▶︎ 第3期所長 樋口 壯太郎先生のことば ◀︎︎
令和元年度
平成30年度
平成29年度
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平成26年度
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平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
▶︎ 第2期所長 中野勝之先生のことば ◀︎︎
平成14年4月〜平成20年3月
▶ ︎第1期所長 花嶋正孝先生のことば ◀︎︎
平成9年4月〜平成14年3月
1.1)大型実験槽を用いた研究として「浸出水からの酸・アルカリ回収」では、埋立地浸出水中の高濃度無機塩類をED(電気透析膜)により処理し、さらに処理工程により生成する濃縮廃液をBP(バイポーラ膜)によって酸とアルカリに分離して回収することが可能となった。
さらに、回収された酸・アルカリ液を再び水処理プラントのpH 制御等に利用することで従来廃棄物として処分されていた塩類を再利用することが可能となった。
1.2)同じく大型実験槽を用いた研究として「浸出水処理に伴う濃縮廃液の無害化および塩回収」がある。これは、埋立地浸出水をRO(逆浸透膜)により脱塩処理を行い、濃縮液を回収する。この濃縮液に含まれる有害物質は加熱還元法で分解し、無害化された塩を回収することに成功した。さらに、回収した塩は工業用塩としての用途があり、従来廃棄物として処分されていた塩類を資源化することに成功した。
この二つの研究により、最終処分場の浸出水を水道水並みに高度処理し、かつ処理副産物である濃縮塩の有効利用を図ることが可能なった。以上の実証実験で得られた結果は、すでに各自治体の最終処分場における水処理プラントに組み込まれ、実機として稼働している。また、これらの技術は北九州から発進され、全国に普及した技術として我が国の浸出水処理および再利用技術の向上に貢献した。
1.3)「水資源の活用に関する研究-逆浸透膜による下水処理水の工業用水化」においては、下水処理場の処理水をさらに逆浸透膜で処理することで塩類や有機成分を効率的に除去でき、工業用として十分に要求を満たす水質の処理水を得ることに成功した。これにより、下水処理水の水資源としての再生利用が可能となった。
1.4)「焼却残査のコンクリートへの有効利用に関する研究」では、現在埋立処分されている焼却灰を、セメント原料として利用できる条件を満たすまで処理し、再生コンクリートとして利用することに成功した。これにより、従来埋立処分されていた焼却灰の資源化が可能となったばかりでなく、全国的に不足している最終処分場用地確保問題の解決策の一つとすることが可能になった。
1.5)「生ごみからの生分解プラスチックの生産」においては厨芥や有機性廃棄物の搾汁を乳酸発酵させ、そこから回収濃縮した乳酸を化学重合させて生分解性のあるポリ乳酸を生産することに成功した。有機系廃棄物の処理技術としては非常にユニークな生物化学プロセスの完成と物質生産技術が確立できた。
1.6)「チタニア/シリカによるPETを含む廃プラスチックの油化」では、従来不可能であったチタニア系触媒によるPETの油化に成功し、軽油と同等品質の油の生産に成功した。
2.1)「最終処分場浸出水管理に関する研究」は、最終処分場のトラブル要因の一つである浸出水について、その流出機構を解析し、最終処分場の水収支についてとりまとめたもので、特に我が国の降水量特性について解析し、地域により降水量特性に応じた浸出水管理方法を提案した。
2.2)「最終処分場の立地選定プロセスと遮水システムからみた立地評価」は、同じく最終処分場のトラブル要因である立地問題と遮水システムについて考察したもので、最終処分場の立地選定手法と立地特性に応じた遮水システムのあり方について提案した。この二つの成果は、各自治体の処分場整備事業手法として活用されており、また、この成果の一部は「廃棄物最終処分場整備の計画・設計要領」((社)全国都市清掃会議)に掲載された。
2.3)「埋立前処理システムと高機能最終処分場システムによる埋立廃棄物トータル処理システムの開発」は、埋立廃棄物の資源化と埋立地の早期安定化を目的とし、埋立前処理として焼却灰の物理的分級と加水磨砕処理を行い、有害物質を多く含む微粒子成分を効率的に除去することで、焼却灰の土木資材としての資源化方法を確立した。また、埋立処分場技術として人工降雨環境下における埋立物の早期安定化を可能とし、処分場廃止までの期間を大幅に短縮できる結果を得た。また、この成果は一部の自治体において採用され現在建設中である。
2.4)「鋼板遮水システム最終処分場に関する実証実験結果について」では、処分場の遮水材や被覆施設に鋼板を使用することで、遮水機能の信頼性を飛躍的に向上させ、また腐食性の塩類を含む過酷な埋立環境下においても十分な防錆効果を維持できることを明らかにし、新たな処分場建設技術を確立した。この研究についても九州の自治体で採用され現在建設中である。
2.5)「最終処分場情報管理システムに関する研究」は、GISを用いて廃棄物の発生、運搬、処理、処分を管理するステムであり、合理的処理を行なうことが可能となった。
2.6)「バイオマス廃棄物の有効利用による有害物質の分離・除去」では、ミカン搾汁粕やキチン・キトサンなどの廃棄物を用いて水中の重金属を吸着除去する基礎実験と、埋立地浸出水処理への応用に成功した。
2.7)「飛灰中のダイオキシン類無害化処理に関する研究」は、都市ごみ焼却時に発生する飛灰に薬剤を添加し、従来法よりもより低温で加熱処理することによりダイオキシン類を分解できることを見いだし、ダイオキシン類の処理に要するエネルギー投入量を大幅に削減できることを明らかにした。
2.8)「最終処分場浸出水の促進酸化処理に関する研究」は、最終処分場浸出水にオゾンや紫外線などを用いて酸化処理効率を高めることで、 ダイオキシン類をはじめとした難分解性有害物質の分解効率を高めた水処理システムを構築することができた。
2.9)「チタニア応用光触媒プロセス浸出水に含まれる有害有機化合物の分解処理に関する基礎的研究」では、酸化チタンを用いた光分解機能を埋立地浸出水に応用し、そこに含まれる複数の微量有害有機物質を分解除去する技術の確立と分解機能の解明を行った。