鋼板遮水システム研究会

本研究会は、従来の最終処分場の考え方から脱却し、廃棄物の資源循環システムの形成のための装置の一つとして、廃棄物のストック・埋立施設に関する新しい視点を取り入れた技術・手法を確立することによって、地域におけるゼロ・エミッションの実現に向け微力ながら社会に寄与することを目指すものであります。

研究目的

近年、処理能力を超える大量の廃棄物発生や最終処分埋立地の不足等によって、環境悪化や廃棄物処理費の負担増が国民生活に多大な影響をもたらすことが懸念されております。なかでも、現状の廃棄物の最終処分場については、一部施設において技術上の問題が指摘されたこともあり、国民の最終処分場に対する不安が高まり、緊急かつ安全性を考慮した対応策が求められています。また、資源の有限性を考慮すれば、今後、廃棄物の資源化による資源循環型社会構造へと転換していくことが求められています。
こうした状況を踏まえ、本研究会は、従来の最終処分場の考え方から脱却し、廃棄物の資源循環システムの形成のための装置の一つとして、廃棄物のストック・埋立施設に関する新しい視点を取り入れた技術・手法である「鋼板遮水システム」を確立することを目的としています。これによって、地域におけるゼロ・エミッションの実現に向け微力ながら社会に寄与することを目指すものであります。

実験施設外景 実験施設外景
廃棄物埋立槽 廃棄物埋立槽
浸出水処理施設 浸出水処理施設

研究組織

組織図

研究概要

研究会には4つの技術部会があり、各部会において鋼板遮水システムに関する技術研究を行っています。

︎鋼板遮水技術部会
 鋼板による遮水工構造の設計手法の確立や,施工技術の標準化を目指した研究を行います。
 ・構造形式とその設計手法の確立 ・標準施工の確立

︎防食技術部会
 鋼板試験片の埋立処分場への埋設実施や,響灘実験施設等での実証実験を通じて,鋼板の腐食因子を解明するとともに,
 それを防錆するための防食技術の研究を行います。
 ・廃棄物環境下における鋼板の腐食速度の把握
 ・調整池の腐食環境の把握 ・鋼板遮水裏面(対土壌)の防食方法の確立
 ・腐食の実態調査

︎屋根構造技術部会
 地形,用途によるスパンごとの屋根構造の標準化を行い,鋼板遮水構造との一体化や必要に応じて屋根を移設する設計
 施工の研究を行います。
 ・構造形式とその設計手法の確立 ・標準施工の確立

︎水処理技術部会
 響灘実験施設でのデータをもとに,適切な散水方法や,より効率的で経済的な浸出水処理方法等の研究を行います。
 ・散水による廃棄物安定化の調査 ・浸出水の水質・水量の把握 ・経済的な水処理方法の確立

研究結果

研究会の研究成果は、毎年報告書としてまとめています。

・平成12年度 鋼板遮水システム技術検討報告書(平成12年10月)
・平成13年度 鋼板遮水システム技術検討報告書(平成14年2月)

また、平成13年度には鋼板遮水システムを平易に説明・解説したQ&A集を作成しました。

※このページの情報は平成14年2月時点のものです。

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