次世代埋立システム研究会は「次の世代に負の遺産を残さない。」というコンセプトのもと産学協同研究により、浸出水処理システムを研究開発するため発足され、北九州市エコタウン内の環境実証エリアに大型実験槽を建設し実証研究を行っています。
次世代の負の遺産を残さない最終処分場を目指し下記研究テーマを実施
● 浸出水の高度処理(水道水レベルの処理水)技術の開発
● 処理水の生態毒性評価手法の開発
<大型実験槽>
大型最終処分場実験槽は、幅10m、長さ10m、深さ2.5mで、3槽で構成されています。構造は土堰堤によるマウンドアップ方式で2重しゃ水工、浸出水集排水施設、漏水検知システム等を備えています。埋立物は焼却不燃残渣と破砕不燃残渣を充填しています。計測設備は地中温度計(熱伝対方式)、雨量計(転倒桝方式)、浸出水量計(改良型転倒桝方式)、表流水量計(堰式)等を備え、計測値はデータロガに収録されます。
<高度浸出水処理実験>
最終処分場は水源地の上流部である山間部に建設される事が多く、浸出水の処理は高度処理を要望されます。このため環境リスクを低減化するため未規則微量有害物質まで除去し水道水並みの処理水を得るための以下の実験を行っています。実験は大型実験槽から得られる浸出水を用いて行います。
結果の一部を図に示します。いずれも良好な結果が得られました。また降水により埋立物中の汚濁物が洗い流され浄化されている事がわかります。しかし完全に浄化され、埋立地が廃止されるまでは10年間を要すると言われています。
<浸出水処理水の生態毒性評価>
浸出水原水や浸出水処理水を用いてメダカを飼育し、世代交代によるメス化現象の出現の有無や体内への有害物の蓄積状況の観察を行っています。こうした生態を用いた毒性評価により、よりわかりやすく安全性を説明することにより地域に受け入れられる施設づくりが可能になると考えています。これらを取り入れた処分場のあり方としてビオトープの導入が考えられます。
<研究成果のフィールドへの応用>
ここで得られた研究成果は全国の最終処分場で実施設として導入されています。
※このページの情報は平成15年時点のものです。