歴代所長のことば

第1期所長 花嶋正孝先生のことば

資環研第1期所長 花嶋 正孝

 2000年に循環型社会形成基本法が制定され、21世紀に向けて地球資源の循環と自然環境の保全を推進しつつ、環境負荷低減を図る社会システム構築への指針が示されました。これに先立つこと2年、福岡大学の資源循環・環境制御システム研究所が1998年4月に北九州市若松区響灘の地に開設され、すでに4年の歳月が経過しました。

 開設に当たってのコンセプトは廃棄物を資源として利用するにあたり、まず環境制御できることを実証し、次に廃棄物を有用資源として循環する技術を開発することとしました。これらの構想に従い、次世代処分場技術に関して、次に示す2つのプロジェクトを推進してきました。
1.「環境制御システム」に関する研究では、廃棄物に含まれる有害物質によって周辺環境に汚染を生じさせないような技術の開発。
2.「資源循環システム」に関する研究では、廃棄物に含まれる有害物質によって周辺環境が汚染されないことを確認後、その物質に含まれる資源の回収と有用資源活用の技術開発。
 以上のように、廃棄物を取り扱うにあたって、廃棄物を取り巻く環境を安全に制御しつつもその中から新しい資源が生じてくることを実証することがこの研究の特徴です。また、これらの施設を一般市民に開放することにより、廃棄物が安全な資源として再生される実証の現場を見て理解してもらうという今までにない特徴も兼ね備えています。

 1998年4月~2002年3月までの5年間、第1期所長を勤めてまいりました。これもひとえに御支援頂いた関係者の方々の御陰であるとあつく感謝を申し上げます。引続き第2期所長 中野においても資環研の基本コンセプトを維持しつつ、さらに新しい視点からのプロジェクトを加え、より一層発展することと期待しています。これからも皆様の暖かい御支援、御鞭撻を何卒よろしく申し上げます。

第2期所長 中野勝之先生のことば

資環研第2期所長 中野 勝之

 研究所創設者花嶋正孝名誉教授が述べられているように、「廃棄物を取り扱うにあたって,廃棄物を取り巻く環境は安全に制御しつつもその中から新しい資源が生じてくることを実証すること、さらに,廃棄物が安全に資源として再生される実証の現場を一般市民に見て理解してもらうということ」、これが福岡大学資源循環・環境制御システム研究所の設立コンセプトでありました。
 第2期のプロジェクトとして、1.次世代型処分場技術(継続)、2.廃棄物無害化およびリサイクル技術(新規)を柱に研究を推進したいと考えています。環境に有害な廃棄物を無害化する環境制御技術の高度化を図り、その技術を適用して資源循環を促進することがプロジェクトの目標であります。
 今後の研究計画については研究計画(第2期)をお読みください。
 これらの研究に関する情報を効率よく収集するために、産官学民の連携業務を推進する「北九州産学連携推進室」を北九州学研都市内の北九州産学連携ビルに設置しました。また、あらたにウェブサイトを構築し、福岡大学内の環境教育・研究資産の社会への発信を図りたいと考えています。 皆様の一層のご協力をお願いいたします。

第3期所長 樋口 壯太郎先生のことば

資環研第3期所長 樋口 壯太郎

福岡大学資源循環・環境制御システム研究所(略称:資環研)は1998年4月に花嶋正孝名誉教授により開設され、今年から20年目に入ります。
この間、次世代埋立システム研究として浸出水中の脱塩処理技術、ダイオキシン類分離、分解技術、遮水シートの漏水検知システム、クローズドシステム処分場等の技術を大型実証設備を用いて開発し、全国の自治体、事業者に導入されました。
 資源化の分野では焼却灰脱塩によるセメント原料化システムや副生塩リサイクルシステムを確立するなど大きな成果をあげ、北九州市に産学連携の拠点をつくってきました。
 今後、さらにこれらの研究を継続発展させると共に、これまでの成果を活かし、中国、韓国等東アジアの大学、企業等と国際連携を進め地球規模での低炭素化社会の実現に貢献したいと考えています。
 一方、国内においては不適正処分場や土壌汚染、不法投棄等の「負の遺産」を修復する「環境修復研究」と副生塩や廃グリセリン等「未利用資源」の「資源化研究」をすすめていきます。さらに研究所設立20年を機に、これまで蓄積してきた埋立処分技術を活かして上流システムの焼却システムについても提言を行い、より経済的な「廃棄物管理システム」を提案していきたいと思っています。
 資環研は全国的にも稀有な廃棄物研究所して、その存在価値を高めていきたいと思っております。これからも皆様の御支援、御鞭撻を何卒よろしく申し上げます。

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