資環研について

ごあいさつ

資環研第3期所長 樋口 壯太郎

 福岡大学資源循環・環境制御システム研究所(略称:資環研)は1998年4月に花嶋正孝名誉教授により開設され、今年から20年目に入ります。この間、次世代埋立システム研究として浸出水中の脱塩処理技術、ダイオキシン類分離、分解技術、遮水シートの漏水検知システム、クローズドシステム処分場等の技術を大型実証設備を用いて開発し、全国の自治体、事業者に導入されました。
 資源化の分野では焼却灰脱塩によるセメント原料化システムや副生塩リサイクルシステムを確立するなど大きな成果をあげ、北九州市に産学連携の拠点をつくってきました。
 今後、さらにこれらの研究を継続発展させると共に、これまでの成果を活かし、中国、韓国等東アジアの大学、企業等と国際連携を進め地球規模での低炭素化社会の実現に貢献したいと考えています。
 一方、国内においては不適正処分場や土壌汚染、不法投棄等の「負の遺産」を修復する「環境修復研究」と副生塩や廃グリセリン等「未利用資源」の「資源化研究」をすすめていきます。さらに研究所設立20年を機に、これまで蓄積してきた埋立処分技術を活かして上流システムの焼却システムについても提言を行い、より経済的な「廃棄物管理システム」を提案していきたいと思っています。
 資環研は全国的にも稀有な廃棄物研究所して、その存在価値を高めていきたいと思っております。これからも皆様の御支援、御鞭撻を何卒よろしく申し上げます。

2017年4月

組 織

研究所組織図
研究所長
樋口 壯太郎 工学博士
福岡大学 工学部教授 (資源循環・環境グループ)
研究開発室長
武下 俊宏 博士(農学)
福岡大学 工学部准教授(資源循環・環境グループ)(2009.4.1~)
事務職員
管理事務室長   1名
事務       3名
研究開発室    1名

研究と活動

今年度(平成29年度)の展望

(1)
研究活動
 
メインの研究テーマは「環境修復と未利用資源の資源化」とし、併せて研究成果の事業化、ベンチャー企業の支援、国際産学官連携活動を行う。具体の研究内容は2つの分野と5つの研究テーマにより構成されている。

「資源循環分野」
バイポーラ膜によるエコアルカリ、エコ酸の研究として、データ蓄積を行うため一般廃棄物最終処分場脱塩副生塩、一般廃棄物焼却施設で重曹を排ガス処理薬剤として用い2段バグフィルターで回収された飛灰を用いてエコアルカリ、エコ酸を生成させる。またエコアルカリについては利用用途が多いが、エコ酸については用途が少ないため、用途開発を行う。

「環境制御分野」
焼却プロセスで使用される薬剤が埋立処分に与える影響と対策
本研究は平成25年度環境省環境研究総合推進費に採択され、平成27年度で終了した。平成28年度からは長期的データを取得しており、データ蓄積結果より論文作成を行う。また継続研究(自主研究)として水中の残存キレート分解技術の開発を行う。
飼養衛生管理基準等緊急啓発普及促進事業(平成28年度から平成30年度)
BSE、鳥インフルエンザに伴い、大量の家畜の死体埋却が行われる。一般的には家畜防疫法により疫病発生後72時間以内での埋却処理が義務付けられている。しかし地下水位の高い地域では地下水位上昇により周辺地下水を汚染する可能性があるため、盛土方式による埋却の検討が行われている。本研究は公益財団法人全国競馬・畜産振興会の助成を受けて、中央畜産会が標記事業を3か年計画で実施(飼養衛生管理基準の啓発普及対策は2年間)することとなった。実証研究は資環研が担当しており、盛土方式は高機能盛土として資環研と旭化成ジオテックで研究されたジオセルを用いている。千葉県農業試験所の協力を得て実証槽を設置し、モニタリングを行っている。今年度は細菌叢解析、水質、悪臭測定とフィジビリテイスタデイを実施する。
公共関与型最終処分場早期安定化研究(平成27年度から平成31年度)
鹿児島県環境事業公社が運営する公共関与型最終処分場は日本最大の被覆型最終処分場である。本処分場の早期安定化のために室内空気の動向、集排水管内空気、浸出水モニタリングを行う。また浸出水の脱塩処理に伴う副生塩のリサイクル方法の用途開発を行う。
最終処分場早期安定化研究(平成23年度から)
旧法時代の最終処分場により、汚染された下流のため池を再生させるため、埋立地の安定化手法として霧状酸化剤の注入を行っている。その効果をモニタリングするため、ガス、浸出水、地下水調査を行う。また下流ため池には処分場建設前にはヒシが繁茂していたが、浸出水の漏水により死滅してしまった。安定化の指標として今年度はため池でのヒシの再生実験を行う。

 
上記研究の成果については1年に1回の成果発表会の他、1〜2か月に1回開催している「廃棄物・土壌リニューアル研究会」で企業、大学の研究中間報告会を実施している。これまで開催は100回を超えている。今年度も研究会を開催し意見交換の場としたい。

(2)
広報活動等
毎年、実施している広報活動を行う。
第9回エコスクールの開催
資環研通信の発行およびホームページによる広報
ニュー環境展2017、エコテクノ2017等展示会への出展
成果発表会:資環研は平成29年度で設立20周年を迎える。平成29年度成果発表会(平成30年6月頃を予定)は記念発表会の予定。

(3)
事業化支援
研究成果の事業化支援を行う。平成29年度は28年度に引き続き、霧状酸化剤による環境修復装置の事業化支援を実施する。また北九州産学連携室には多数の企業、自治体等の相談があるためこれらの支援についても従来通り実施する。

(4)
国際連携
国際連携として中国都市建設研究院と焼却飛灰処理の技術情報交換および韓国安養大学と最終処分場技術交流を行っている。今年度は中国都市建設研究院が進めている焼却残渣埋立基準への情報提供を行う。

これまでの研究

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